北米開教区

2017年元旦初参り

[]  2017/6/26

外国なので当然のこととはいえ、アメリカでの正月は日本と大きく異なります。日本の「正月休み」の感覚に近い時期は11月下旬のサンクスギヴィング・ウィークエンドか12月下旬のクリスマス・クリスマス・ウィークエンドの時期で、それぞれの週末の34日が一年の休暇の時期にあたります。とりわけクリスマスの週末は一年の終わりで、家族で教会に行ったり食事をしたり、普段は離れて生活している家族が共に過ごす時期です。日本の年賀状のようなカードの交換もこの時期に行われます。新年を迎える元旦、大晦日の深夜12時は単にお祝いの花火が打ち上がる日とでも言えば良いでしょうか。一月一日は祝日とはいえ、明けて一月二日からはもう普通の日常生活が始まります。多くの在留日本人にとって慣れるのに苦労する点です。暦の巡りあわせによって一月二日も週末にあたることはありますが、日本の正月三が日の雰囲気はなく、年始の挨拶回りのような慣習もありません。したがって、多くの日系アメリカ人家族は元旦に寺院を訪れることは一般的ではありません。

一方、ここロサンゼルスには関東平野と同等の広さの中、学生や駐在員家族など7万人以上の在留日本人が各地に滞在しており、その他にも国際結婚でロサンゼルスで生活している日本人も多く見られます。そうした日本人家族にとって、一年の節目の元旦に寺院を参拝することは、子どもたちに「初詣」の雰囲気を教える貴重な機会となります。当院では、元旦に限り午後5時まで正面玄関を終日開放し「元旦初参り」を行っており、今年も7080名の方々がお参りに訪れました。参拝客の多くは当院メンバーでも日本生まれの方々や、前述の在留日本人家族・国際結婚の日本人家族の方々ですが、皆さん熱心に仏前で合掌・焼香し、お参りされています。元旦の参拝者数は劇的に増えることはありませんが、参拝者の多くは毎年お参りに訪れています。当院では、前日の大晦日の念仏会で開眼した交通安全・家内安全のお守りを用意しますが、多くの方々が前年の古いお守りを持参しお焚き上げ品として納め、新しいお守りを求めていかれます。また、参拝者の中には「日本の菩提寺が浄土宗」という方もしばしばあり、元旦初参りは当院の存在を紹介する良い機会にもなっています。

内陣

内陣

表通りから

表通りから

本堂

本堂

位牌納骨堂

位牌納骨堂

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