北米開教区

2018年3月17日 春彼岸法要・水子供養

[]  2019/5/4

春彼岸の3月は第2日曜にシカゴ教会所、第3日曜にロサンゼルス本院、第4日曜にラスベガスでそれぞれ春彼岸法要を勤めます。ロサンゼルスでは3月17日(日)、約40名の参詣者と共に春彼岸法要・水子供養を勤めました。当院では2008年より雑誌やラジオ等で広告し水子供養を勤めていますが、檀信徒はじめ地域社会の方々から申し込みを受け、個別に、あるいは定例法要の折に合同で回向しています。ロサンゼルスには多くの日本各宗仏教寺院がありますが、水子供養を勤めることを公けにしている寺は他にありません。アメリカ合衆国では、水子供養の受け取り方は日本とは異なります。子どもとの死別には様々なケースがあるとはいえ、水子供養というとやはり中絶を連想させ、キリスト教社会のアメリカでは中絶や計画的な妊娠・出産といった問題は政治的な論点となるほどです。実際私共も、水子供養の広告を始めた当初は「中絶を奨励するのか」という匿名ハガキを受けたこともあります。しかし一方で、子ども・孫を亡くされ心を痛め、水子供養を望む方々がおられます。そんな方々から「他人に相談できることでなく一人で悩んでいた時に広告を見たおかげで供養ができた」「水子供養をするお寺をウェブで探したら浄土宗本院しかなく、アメリカでも供養ができてうれしかった」との言葉もいただきます。昨今は、口コミやウェブを通じてオンラインで法要を申し込まれる方も増えています。

 

水子供養では小型の経木塔婆をあげ、仏前並びに地蔵菩薩像前で申込者と共に念仏回向を勤めます。今回は3名の方々が水子供養を申し込みましたが、そのうち1名はオンラインでの申込でした。最初に「水子供養をしたいが、仏教徒でなくても法要に参加しても良いのか?」という問い合わせがあり、「宗教・宗旨は問いませんのでぜひ法要に」と返答、お見えになったのは若い白人女性でした。彼女にとって初めての仏教寺院訪問であり、いわんや焼香や念仏など未知の体験です。法要前に回向の際の合掌・焼香、念仏の仕方などを簡単に伝え、不安な様子で彼女も参詣の輪に加わりました。しかし、地蔵菩薩像前での念仏回向の際、覚束ない手つきで焼香をして手を合わせると、彼女は泣きながら声にならない声で「ナムアミダブ」らしき言葉をつぶやいていました。そして、彼女のか弱い念仏の声を支えるかのように参詣者が共に十念を唱えます。その光景には胸を打たれると共に念仏の力を感じずにいられず、法要を主催する私共にとっても改めて浄土宗の寺のみに可能な回向の姿を学んだ思いでした。法要後は婦人会の手によるお弁当を共にいただき、懇親のひと時を過ごしました。

翌週3月24日(日)はラスベガスに出向き、ベガス在住のロス本院メンバー5家族と共に春彼岸法要を勤めました。2014年から始まったラスベガスでの春彼岸も今年で6年目を迎え、法要・法話・懇親会を続けています。メンバーご自宅での法要ながら、「遠くにいる私達を忘れないでくれて有り難い、これからお盆もできないだろうか」との言葉をいただき、出向くこちらの方が心温まる気持ちにさせられ、開教の原点を教えてくれる出向でもあります。

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