粋な人
[] 2020/7/27
主に文化的色彩の濃い言葉や思想に言えることですが、英語に翻訳しにくい言葉は割と多々あります。
そのうちの一つ、「粋(いき)」という言葉。さまざまな英訳がでていますが、どれも「これだ!」というものはありません。
しかし、不思議なことに現地で「粋な人」は誰か?を考えてみますと自ずと思い浮かぶ人がいました。
カウアイ島の松本英美さんです。先月の話になりますが、本来であれば、コロア浄土院が盆ダンスを予定していた6月28日に、
当院の手ぬぐいでつくった法被を着てお参りに来られたのです。
ご自宅で作られたというブドウと手づくりのコンニャク、そして寄付金をもって来られたそのお心に、大きな感動を覚えました。
「なんて粋な人だろうか!」と思ったのです。
粋は、もともと「意気」と書き表し、心の氣が現れていることを意味しますが、
「いき」は「息」であり、そして「生き」に通じていると思うのです。
コロナ禍で、盆ダンスがキャンセルとなりましたが、あたかも盆ダンスが通常通り行われるかのように、
来られた松本さんは、まさしく「粋」を体現されたかのようでした。
よくよく考えてみますと、「アロハ」の「ハ」も「神聖な息」を意味します。
少し乱暴な結論ですが、私は「粋」を「アロハ」と訳したい思いました。
ちなみに、松本さんは浄土宗の信徒でありませんが、宗派を問わず、
カウアイ島の全カ寺の盆ダンスをお手伝い下さる稀に見る篤信の奉仕家でいらっしゃいます。
誠に有難いと思っております。