ハワイ開教区

ハワイ仏教連盟主催「花祭り2022」ハイブリッド開催

[報告]  2022/5/9

ハワイ仏教連盟各宗総監(総長・監督)、開教使、ゲストスピーカー

 

去る4月3日(日)、ハワイ浄土宗別院でハワイ仏教連盟主催「花祭り2022」が対面とオンラインにて開催。

ハワイ仏教連盟を構成する東本願寺、本派本願寺、浄土宗、高野山真言宗、曹洞宗、日蓮宗、天台宗の七宗総監を含め20名の開教使と各宗代表者14名が、

2年ぶりに一同に会し、釈尊の生誕を祝いました。

今年のテーマは、「予期せぬ状況への適応」。カウアイ・シヴィル・ディフェンス(現カウアイ郡危機対策センター)元部長で、

社会心理学者のグレンダ・ノガミ・ストリューファート博士が基調講演。

新型コロナウィルス感染症で亡くなられた犠牲者(2022年4月12日現在死者数618万人)の追悼式も併修し、各宗の総監より読経と廻向、

そして祈りの言葉が捧げられました。

 

 

 

 ストリューファート博士の講演は、コロナ・パンデミックの影響をプラスとマイナスの側面から分析。

様々な問題を解決するキーワードとして、resilience(レジリエンス)という言葉を紹介されました。

この言葉は、もともと物理学で使用されていた弾力を意味する言葉で、一般的には「跳ね返りの力=弾力」を意味します。

博士は、心理学で使われる意味として「困難や予期せぬ状況に向かっていく弾力」に加え、「適応する力」も重要であると説明。

今も続くパンデミックには、このレジリエンスをいかに実践していくか?その一例としてNew Normalの説明をされました。

これは直訳しますと「新しい普通」「新しい常識」で、パンデミックがはじまってから注目されるようになりました。

 

たとえば、現在、お店の中で誰かが咳をすると直ちに「咳」に反応し、咳をした人に対し意識的に警戒してしまいます。

これはパンデミック前は、気にもとめぬことでしたが、パンデミック以後は、ニューノーマルとして定着。

今後も「咳」に対する過剰反応が続くであろうとのこと。

あるいは、9・11テロ事件の後に始まった空港での安全検査の強化もニューノーマルの一つでした。

今では、信じられないことですが、2001年同時多発テロの以前、アメリカの空港では誰もが搭乗ゲートまで普通に家族や友人を見送ったり出迎えたりすることができました。

しかし、テロの後、手荷物検査が著しく強化され、旅行者以外は、ゲートに近づくこともできなくなったのです。

その上、セキュリティーゲートでは、靴やベルト、上着を脱がされたり、飲み物の持ち込みが禁止され、

手荷物検査に時間がかかったり、誰もが不自由を強いられ、昔を懐かしんだものです。

しかし、このような大きな変化であっても、時間が経ちますと自然に慣れて普通になっていきます。

確かに、コロナ前の時代と比較しますと、現在は比較にならないほどストレスに満ちた不自由な生活です。

しかし、誰もが空港での不自由な安全対策を受け入れ慣れたように、私たちは慣れることができる。それが、レジリエンスの適応能力です。

ちなみに、日本では毎年年末に「今年の流行語大賞」として、その年に流行した言葉を選びますが、アメリカでも大手出版社が、Word of the Year(今年の言葉)を発表。

経済雑誌のForbsが「2021年の言葉」として「Resilience(レジリエンス)」を選んでいます。

レジリエンスは、どんなに困難で危機的状況であっても、逆境を跳ね返し、適応していく力であり、

博士は地域団体や他人との「Interaction(相互作用)」によって困難から立ち直ることができると結論されました。

 

なお、当日はYouTubeによるライブ配信と同時に、100名以上のズームでの参加がありました。

動画は、即日、私が編集しHBCのYouTubeアカウントより閲覧が可能となっています。

余談ですが、今回もハワイ仏連と同時にカウアイ仏連の「ヴァーチャル花祭り」の開催を担当。

高野明宏開教使、田邊孝顕開教使の協力のもと時間をかけてビデオを編集致しました。

こちらもぜひご高覧いただけると幸甚です。

 

ビデオはいずれも浄土宗ハワイ開教区のウェブサイト(www.hawaiijodo.net)にリンクを掲載しております。

月に数度のペースで更新しております。ぜひお時間がありましたらお立ち寄りください。

末筆ですが、今回花祭りの大行事をホストするにあたって、メンバーの方々や草月流華道クラスの先生より沢山の花を寄贈を頂き、

また、お手伝いを頂きました。心より御礼申し上げます。(総監)

 

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