真珠湾に誓った平和の希求
[報告] 2017/1/23
オバマ大統領と安倍総理が歴史的共同声明
太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃75周年を迎えた昨年、12月27日、今も戦士たちが眠 る米国ハワイ州ホノルルの真珠湾アリゾナ記念館を、米国オバマ大統領と日本国安倍総理大臣が慰霊訪問し、ついで、アリゾナ記念館を望むパールハーバー・ヒッカム共同基地のKilo Pier(キロ埠頭)に於いて、両首脳の歴史的共同声明発表が行われた。
両首脳は、戦後70年の両国の歩みを振り返ると共に、現在の両国の強固な絆をたたえ、世界平和への力強い希求を表明した。
日本国総理大臣として初めて公式に真珠湾を訪れた安倍総理は、厳粛な面持ちで一字一句を噛み しめるように“不戦の誓い”をアメリカ国民や、世界の人々に訴えた。
声明の基調となった寛容、慈悲、人間の尊厳、和解の力、不戦の誓い、平和の希求等の理念は、まさに佛教の理念に他ならず、総理の声明の一端「戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖はなくなろうとしない。寛容の心、和解の力the power of reconciliationを、世界はいま、今こそ必要としています。」に、法句経や法然上人の「父の遺言」の教えを想起した浄土宗徒も沢山いたのではなかろうか。
戦争を知るハワイの日系人にとって真珠湾は苦渋の思いをさせられる場所である。
オバマ大統領は「国家として、国民として、われわれは我々が受け継いだ歴史を選ぶ事は出来ない。しかし、そこから何を学ぶかは、我々が選ぶことが出来る。そして、そこから学んだものを基に未来への道を開拓することが出来る。」と述べ、
安倍総理大臣は、熾烈な戦火を交えた両国が、強固な同盟国に変容した歴史的事実に基づき、「世界の人々がパールハーバーを和解の象徴として記憶してくれることを願う」と述べ、「和解の力」(The Power of Reconciliation)を世界に訴えてゆく強い決意を述べた。
日米両国首脳の「和解の力」を訴える声明は、厳しい世界情勢の中に、一筋の光明を与えるものであり、殊に現地の日系人にとっては、それは鎮魂のひびきであり、明日への新たなる出発への励ましと、希望を与えるメッセージでもあった。