ハワイ浄土宗別院「鯉のぼり・セレブレーション」
[報告] 2022/5/6
去る4月23日(土)、ハワイ浄土宗別院では、総監の発願・企画により大小様々な330旒の鯉のぼりの飾りつけを行いました。
これは、ホノルル市内でも特に交通量の多い高速道路傍に位置する別院に、
沢山の鯉のぼりを飾ることによって、
多くの人を元気づけ、励ますことを意図。
特に、コロナ禍やウクライナ情勢など悲しい出来事が続く昨今だからこそ、
与えれらた生命を尊び、感謝の気持ちを分かち合いとの思いから、
「鯉のぼりセレブレーション」と題し、5月中旬まで境内に飾る予定にしています。
中国の故事によれば、黄河の上流にある竜門と呼ばれる激流の滝を登り切った鯉が、
ドラゴン(竜)となった伝説があります。ここから出世の魁となる関門や糸口を
「登竜門」と呼ぶようになったそうですが、やがて、鯉は出世や力強さの象徴として日本社会で認識。
特に江戸時代中期より端午の節句(5月5日)に鯉のぼりを飾る習慣が始まったようです。
ハワイの青い空を背景に風にたなびく、元気のよい鯉を見ることはとても心地のよいものです。
別院の境内に圧倒的な数の鯉のぼりを集めて飾ることによって、より多くの人や社会の注目を集め、
別院へ足を運んでもらおうという意図もあります。
また、鯉のぼりセレブレーションを企画するにあたり、
寺報(ブルテン)を通じて鯉のぼりのスポンサーを募集しました。
多くの人に資金を出して頂くことによって、
寺院への寄付を頂くと同時に、鯉のぼりの数を増やすことも可能となりました。
小さな鯉のぼりを一旒10㌦、大きな鯉のぼりを一旒20㌦で募集したところ、
5月1日現在、108名の方がスポンサーとなり、合計413旒の鯉のぼりを掲げております。
なお、スポンサーとなって頂いた方には、メッセージ付き「スポンサー・カード」を作成し、
ご家族の祝い事や抱負、健康祈願、また亡くなった方への追悼などメッセージを記入し、堂内に飾っております。
鯉のぼりを境内に飾り付けてからの反響は、殊の外、大きく
新聞にも取り上げられ、スポンサーの申し込みと訪問者が増加しています。
また、サンデースクールでは、本日5月1日、この鯉のぼりをきっかけとして
「子供の日・母の日」イベントを予定しています。
さて、この鯉のぼりセレブレーションを発案するきっかけは、
カウアイ島のカパイア・ファウンデーションが行っている「鯉のぼりカウアイ」でした。
これは、かつてサトウキビ産業が盛んであった戦前にカパイアで撮られた大きな鯉のぼりの写真が9年前に発見。
これを契機に、かつてのプランテーションの労働者であった先人に敬意を払うためにコミニティーが一丸となってはじめた地域活性化のイベントです。
日本以外で、沢山の鯉のぼりを見たのは初めてのことで、いつか機会があれば私も寺院の境内で行いたいと願っていましたが、
昨年11月にホノルルへ再び引っ越すことになって、今回の企画へ至った次第です。
今後、他島、他寺院でもこのようなイベントが行えるよう
ノウハウを共有したいと思っています。(総監)