南米開教地

南米開教区65周年記念 五重相伝会

[報告]  2018/9/13

南米開教区は、今年平成30年に開教65周年を迎え、その記念事業として五重相伝会を開筵した。当開教区においての五重開筵は、開教40周年にサンパウロの別院日伯寺及びマリンガ日伯寺にて開筵以来25年ぶり、今回行ったイビウーナ、クリチバ両寺においては、初めての開筵となった。

まず、2月9、10、11日の3日間にクリチバ日伯寺で行われ、大江田晃義同寺主任開教使の伝燈師、45名の受者が入行、次に2月16、17、18日の3日間、イビウーナ日伯寺にて櫻井聡祐同寺主任開教使の伝燈師、57名の受者が入行してそれぞれ行われた。

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クリチバ受者 45名                    イビウーナ受者 57名

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伝燈師:大江田 晃義(クリチバ)            伝燈師:櫻井 聡祐(イビウーナ)

今回の五重相伝には、日本から、長崎・法源寺 松野瑞海上人を勧誡師、元南米開教使で同じく長崎・法源寺 松野瑞光上人を教授師、京都・瑞林院 河合真人上人を回向師として迎え、随喜寺院として、江崎浩道上人(長崎、光明寺)、前田智海上人(福岡、西林寺)、前田浄健上人(長崎、浄福寺)、辻本大定上人(長崎、善隣寺)の4名の随喜寺院、計7名が随喜訪伯団を結成。ボランティアで2月7日~20日の14日間ブラジルに滞在し、長旅の疲れにも負けず、素晴らしいチームワークで準備実行に尽力し、開筵中は受者、お手伝い、ボランティアの方とも、積極的に交流を深め、終始和やかな雰囲気づくりに努め、当事業を大成功に導いていただいた。彼らのリーダーたる僧侶としての態度は、受者に大いに好印象を与え、信仰をより深める大きなきっかけとなった。開教使陣も、多くの事を教えてもらい、非常にありがたかった。彼ら無くして今回の五重相伝の成功はあり得なかった。

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勧誡師 : 松野瑞海 上人              日本と南米開教区の僧侶

上記2カ寺の他に、マリンガ日伯寺においても、勧誡師、訪伯団からの希望もあり、同寺関連の高齢者福祉施設「和順ホーム」の利用者36名を対象に、特別に「一日五重相伝会」を開筵。高齢である受者の体調に負担のかからないよう、短時間で行った。
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計画段階では、クリチバ、イビウーナ両寺各40名、計80名の受者を目標としていたが、3カ寺合計で138名が成満し、目標を上回る受者数となった。特にクリチバは受者45名全員が3日間、遅刻、早退もない全員皆勤で成満、クリチバ開教の確実な実績と将来性の大きさを裏付ける結果となった

今回、最も印象的な事は、受者の方々のお念仏の声が高まり、真剣に手を合わせる姿、顔つきが、日増しに明るく輝いていく様子だった。最終日には、受者だけでなく、スタッフである僧侶もみな感動して涙を流し、五重相伝が無事に成満できたことを喜んだ。
数か月経った現在も、受者の方々から会うたびに「五重相伝に入行して良かった」と喜びの言葉をいただいており、本当にありがたいことである。
このように、今回の五重開筵は、記念事業ということではあったが、一開教活動としても十分な成果が上がり、浄土宗海外開教の高い国際的可能性の再認識という点で、5年後の開教70周年、当開教区の明るい将来を臨む意味でも記念すべき事業であった。

この五重相伝で得た経験、檀信徒の法縁を大事にしながら、今後も開教使、開教助員一同、更なる南米開教の発展に尽力していく所存である。

DSC_0484 日本語が分からない人用の字幕。IMG_8535

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