
2020年のハワイ開教区について
[報告] 2026/10/13
コロナウィルス感染拡大の起こった2020年、ハワイでは3月23日に伊芸州知事より自宅待機令が発令され、このロックダウンは1ヶ月以上にわたって続きました。発令の内容はたいへん厳しく違反者への罰則も含まれ、食品を扱うスーパーや医療関係者以外は自宅待機が課されました。また、ビーチや公園など公けの施設もすべて閉鎖されました。私たち寺院も難しい決断を迫られ、年間を通じ主に下記の3つの活動を行うこととしました。
- インターネット関連のテクノロジーを利用したサービス中継やリモート会議の開催
- 感染防止の観点から、米国保険局のガイドラインとハワイ州令に沿った最少人数でのイベントやサービス開催
- 感染防止の観点から寺院を一時閉鎖するが、この間を利用し将来の活動やパンデミック後を目指した活動の研究
このパンデミックにより、いかにインターネット社会が拡大されたかは数字によって明らかです。オンラインのサービスや会議が続いたことにより、いかに多くの人々の移動時間とそのための資金が節約されたかは数えようがありません。ロックダウンの間、私は毎週オンラインサービスを中継しましたが、その閲覧者数の伸びは顕著でした。しかしながら、問題は「このようなテクノロジーを用いない高齢の方々にいかに寺院の活動を届けるか」でした。別院では、私がインターネット使用者のためのサービス中継を行い、髙野明宏開教使が高齢の方々のため本堂での日曜礼拝を続けていました。巷で言われるように、Covid-19パンデミックは高齢者や子ども、あるいはその他の社会的弱者とされる方々に特に非情です。
一方、当初より多くの人々が趣味を追求し時間の恩恵を受け、さらにハワイのアロハスピリットに基づき、手作りのマスクを親戚や家族に配布するなど、相互援助の活動が盛んに起こりました。とりわけ、ハレイワ浄土院とコロア浄土院は地元の方々より中古品を受け入れ、ちょっとしたアウトレットのようになりました。寺院での活動が不可能であったため、ホールが倉庫の役を果たしたのです。以前から何年にもわたり江崎晃司開教使は寺院のファンドレイザーにガレージセールを行っていましたが、ロックダウンを通じてこの相互援助活動はより大きな展開を遂げました。また、ラハイナ浄土院では寺院を開放し、地元コミュニティのファーマーズマーケットとして地域に貢献しました。
これらはロックダウン中の活動の一例にすぎませんが、他にも今後実践可能な多くのアイディアがあるはずです。いずれにせよ、このパンデミックの時代を生きるのに良い教えが「晴耕雨読」の四字熟語に表されているように思います。「晴れの日は地を耕し、雨の日は読書を楽しむ。」自然の天候に順じて生きるという、理想の生き方が表されています。痛ましい現実を変えようとする代わりに、実行と失敗を通じ、私たちは現実を受け入れ自分自身を変えることができます。「晴耕雨読」の格言は、人類が長年の経験を経て培った偉大な智慧であると思います。逆に言えば、この格言により、人間は自然と共に困難を克服してきたことをも教えてくれます。無論、パンデミックから学ぶべきことはそれだけではありません。危機を乗り越えることができた多くの人々がいる一方、この感染症によって命を失った数多くの人々、そして致命的なダメージを追っている多くの人々がいます。このことを、私たちはけっして忘れてはならないと思います。


